元ネタのメソポタミア神話では
エンリルの孫にあたり、金星の神とされる。
同じくメソポタミア神話の
イシュタルと同一の存在であり、エンリルそのものの子とされる場合も。
その場合は
エレシュキガルと姉妹の関係になるが、それぞれ生と死を司どるので仲が悪い。
最高神アヌ(エンリルを生んだ)の直子であるという説もあるが、
こちらはイナンナがエンリルに代わり王権を与える神であった時期がある事に関係していると推測される。
逸話としては世界樹の植え替えや、冥界下り等があるが、
とくに後者の冥界下りは謎が多く、エンリルの冥界下りのように法に関する話でもない。
人間の英雄
ギルガメッシュに夫を殺され落ち込んでいる姉を慰問するため、という話もあるが、
そもそも二人は仲が悪いので、死を賭してまで会いに行く理由になるかというと疑問である。
その内容はおおむね以下の通り。
ある日イナンナは何故かすべてを捨てる覚悟で冥府の王であり姉のエレシュキガルに会いに行くのだが、
怒ったエレシュキガルによってストリップショーをさせられたあげく裁判にかけられ死刑、死体を晒されてしまう。
それを知った彼女の従者が他の神に助力を求めるが、エンリルとナンナには何故か断られてしまい、
最後にエンキ(バビロニア神話における
エア)によってイナンナを救う方法を伝授され、
その活躍によってよみがえるも、その際、誰かを身代わりにしろと冥界の神々に言われる。
そして差し出したのが、帰った時喪に服していなかった夫だった。という流れである。
ゲーム中の「私が正しいのに」、という態度はどこから来たのかいまいち不明であるが、
元の神話ではなんだかいろんな人(エア以外)に嫌われている感のある子である。